建物は、人の命を守る器。
つまり建物を扱う不動産業は、
人の命を守る最前線の産業の1つ。
「人の命を守る」機能とは、
決して安全安心面だけを指しません。
利便性、
快適性、
収益性または持続可能性、
保健性、
遵法性
といった複数次元の組み合わせで成立する、
私は、そのように考えています。
さらに、
建物を利用する人々の間に、
不動産業が存在する事で、
お金というワクワクするエネルギーの環が出来上がります。
ワクワクするエネルギーの環と、
「人の命を守る」機能のバランスが、
建物の資産価値をつくりだし、
家賃収入あるいは事業売上として
表現されるのだと、私は考えています。
ところが、不動産業界では一般的に、
立地条件あるいは需要予測のみに頼った
売り上げ政策が取られてきました。
「人の命を守る」機能が軽視された結果、
既存建物とは建替え時期を待つ物質の塊でしかなく、
建物の劣化放置につながっているケースが
多くあることを、とても残念に感じてきました。
とりわけ新築信仰の強いわが国では、
今日の新築建物も、明日になれば中古建物と呼ばれる運命。
結局は、立地条件や需要予測にくわえて、
劣化部分を直し、新築と同等以上の付加価値を付けるかにより、
建物の資産価値は決まるのです。
つまり新築建物よりも、
時代、法律、人間活動様式、技術等の変化を乗り越えてきた既存建物こそ、
お金の環と「人の命を守る」機能のバランスが取れて
資産価値を高めてきた最強の建物だと、私は考えます。
そのような最強の既存建物を、
1棟でも多くプロデュースして、
所有者を含めた建物利用者の方々に、幸せを届ける土台をつくっていきたいと考えています。